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妊娠中の性病検査で陽性反応が出た時は、母体の治療と同時に胎児への感染予防を考えなければなりません。母体の治療には、ピンポン感染を防ぐためにパートナーの男性も同時に治療を行う必要があります。また胎児への感染予防には、性病の病原体(細菌、ウィルス等)の種類によって感染経路と治療法が異なります。母親から赤ちゃんへの母子感染の感染経路には、胎内感染、産道感染、母乳感染がありますが、今妊娠している方も、これから妊娠を希望する女性も、性病に対して注意を払うが必要があります。
妊娠中の性病感染は、ご自身やパートナーへの感染のみならず、胎児に悪影響を及ぼす可能性があるため、自覚症状がなくても定期的に性病検査を行うことが大切です。
1948年の性病基本法によって、性病は、梅毒、淋病、軟性下疳、鼠経リンパ肉芽腫の4種類を指していました。1999年に感染症予防法に改訂され、性病基本法は伝染病予防法、エイズ予防法と共に感染症予防法に統合されました。したがって、性病と性感染症は、同様の病気ですが、性感染症の方がより広い概念としてとらえられています。
性病は英語で、STD(Sexually Transmitted Diseases)で、性感染症は英語で、STI(Sexually Transmitted
Infections)となりますが、性病と性感染症は、共に性行為によって感染する病気の総称でSTDと呼ばれることが多いです。
性交渉には、オーラルセックス、アナルセックス、等のケースも含まれます。
[注] 性感染症とは
赤ちゃんを健康で無事に出産するためには、お母さんの身体の健康はとても大切です。性病を治療せずに出産すると、お母さんだけではなく赤ちゃんの体にも病気をもたらす可能性が十分にあります。したがって、出産前や出産後に母子感染を防ぐためにも、性感染症の検査は大切な検査の一つになります。
妊婦検診で性病の検査を同時に行うことが多いです。クラミジア検査、淋菌検査、トリコモナス膣炎、性器ヘルペス検査、HIV、梅毒、B型肝炎、C型肝炎、などの検査が行われます。出産前の妊婦検診検査に含まれていない性病検査を希望する場合は、別途に検査をクリニックに申し込むといいでしょう。
母親から赤ちゃんへの感染を母子感染と言います。母子感染の感染経路には胎内感染、産道感染、母乳感染があります。感染源によって感染経路は異なるため、性感染の有無と性病の種類を調べておく必要性があります。
母子感染には、胎内感染や産道感染のほかに、出産後に母乳によって感染するものがあります。HIV(後天性免疫不全症候群)やHTLV-1(ヒトT細胞白血病ウイルス)といわれる感染症が母乳から感染しやすく、母子感染を予防するためには原則母乳をやめて粉ミルク(完全人口栄養)にすることが推奨されています。
妊娠中の性病感染は、妊娠経過や胎児に悪影響を与える可能性があり、注意が必要です。治療しないまま放置すると、症状が進行することや、早産や流産、母子感染のリスクがあります。妊娠中は、胎児への影響を考慮して抗菌薬などの投薬が制限されることがあるため、性病感染で陽性だった場合、医師の指示通り適切に治療を完了させることが非常に重要です。
また、妊娠を計画されている女性は、妊活を始める前に自覚症状がなくても男性パートナーと一緒に性病検査を受けておきましょう。予防できる感染症については予防接種のワクチンをうけることをおすすめします。妊娠中や妊娠の可能性のある方は生ワクチンの予防接種を受けることはできません。詳しくは主治医の先生にご相談ください。
種類 | 病名 | 病原体 | 主な症状 | 主な治療法 |
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クラミジア感染症 | 性器クラミジア | クラミジアトラコマティスの感染 | おりもの | 抗生物質 |
咽頭クラミジア | 〃 | 喉の痛みと発熱 | 〃 | |
鼠径リンパ肉芽腫 | 〃 | リンパ節の腫脹 | 〃 | |
淋病 | 淋菌性子宮頸管炎 | 淋菌の細菌感染 | おりもの | 抗生剤 |
咽頭淋菌炎 | 〃 | 不快感 | 〃 | |
非クラミジア性・非淋菌性 | マイコプラズマ尿道炎 | マイコプラズマ菌の感染 | 尿道炎 | 抗菌薬内服 |
ウレアプラズマ尿道炎 | ウレアプラズマ菌の感染 | 〃 | 〃 | |
梅毒 | 梅毒 | 梅毒トレポネーマの細菌感染 | 皮膚に赤い丘診 | ペニシリン系抗生剤 |
ヘルペス | 陰部ヘルペス | ヘルペスウィルス感染 | 痛み | 塗り薬、飲み薬 |
口唇ヘルペス | 〃 | 〃 | 〃 | |
エイズ | HIV(人免疫不全症候群) | エイズウイルス感染 | インフルエンザに似た症状 | 抗ウィルス薬カクテル療法 |
アメーバ赤痢 | 赤痢アメーバ症 | 同性異性の性的接触、赤痢アメーバ原虫感染 | 下痢、腹痛 | メトロニダゾール内服 |
カンジダ | 外陰膣カンジダ症 | カンジダ感染 | かゆみ | 塗り薬 |
トリコモナス | トリコモナス膣炎 | トリコモナス原虫 | おりもの、におい | 洗浄、メトロニダゾール内服 |
HPV感染 | 子宮頸部異形成、子宮頸がん | ハイリスクHPVの持続感染 | 無症状、性交時出血 | 円錐切除等 |
尖圭コンジローマ | ローリスクHPVの感染 | 良性の尖圭状疣贅(いぼ) | イミキモド塗布、レーザー | |
肝炎 | A型肝炎 | 血液・精液から肝炎ウィルス感染 | 食欲不振、全身倦怠感 | 自然治癒、抗ウィルス薬 |
B型肝炎 | 〃 | 〃 | 抗ウィルス薬 | |
C型肝炎~E型肝炎 | 〃 | 肝機能低下 | 〃 | |
一般細菌 | 細菌性膣炎 | 膣内細菌増加 | おりもの、匂い | 膣洗浄 |
軟性下疳 | 軟性下疳 | 軟性下疳菌の感染 | リンパ節炎症、痛みを伴う潰瘍病変 | 抗生剤 |
成人T細胞(ATL) | 成人T細胞白血病 | HTLV1のウィルス感染 | 成人になって発症(母乳感染が多い) | 専門病院で治療 |
毛しらみ | 毛じらみ症 | 吸血性昆虫ケジラミの感染 | 感染部のかゆみ | シャンプー、パウダー |
[注]性感染症とは
クラミジア感染症は感染しても、自覚症状が出にくく気づかない場合が多いため、クラミジア検査を行って見つけることが大切です。感染が判明したら抗生物質による投薬治療を行います。クラミジア感染症に感染したまま妊娠をすると、流産や早産の引き金になりやすく、赤ちゃんが結膜炎や肺炎にかかる原因となります。
クラミジア感染症と類似しており、早産や子宮外妊娠の原因となります。産道感染により感染しやすく、出産前に抗生剤などで治療します。
妊娠中の女性が陽性反応だった場合、産道感染する可能性があります。妊娠中の母親の治療方法は、飲み薬の服用と軟膏によって治療を行いますが、妊娠週数によって胎児への影響に配慮し、投薬内容が異なる場合があります。
出産方法は産道感染を防ぐために、帝王切開分娩が必要になる場合があります。産道感染して産まれてきた赤ちゃんは、新生児ヘルペスを発症する可能性があり、新生児ヘルペスが重症化した場合、赤ちゃんの生命に関わることがあります。
ヒト免疫不全ウイルス(エイズウイルス)に感染している女性が妊娠すると、胎盤、産道、母乳などを介して赤ちゃんに感染することがあります。妊婦健診では、HIV抗体検査で感染の有無を確認しています。
検査で陽性反応だった場合、妊娠初期から適切に治療を行うことで、母子感染の可能性を下げることができます。出産方法は帝王切開が望ましく、産後は粉ミルクを使用することで赤ちゃんへの母乳による感染確率を下げることができます。
ヒトT細胞白血病ウィルス1型(Human T-cell leukemia virus type 1:HTLV-1)は、性行為感染又は母子感染によって感染します。リンパ球の一種であるT細胞が腫瘍化する白血病一種です。症状としては、歩行障害や排尿障害を起こす脊髄症と眼球内のブドウ膜炎があります。母乳感染をして成人になって発症することもあります。
キャリア化した母体から新生児への感染を防ぐために、母体の性病検査を行い陽性なら、母乳感染を防ぐことが必要です。
トリコモナス膣炎はトリコモナス原虫が原因で、性交渉がなくても感染するので、どなたでも感染する可能性があります。治療せずに放置していると、炎症が卵管まで広がり、卵管炎を引き起こし不妊症や子宮外妊娠の原因になります。
妊娠中に感染すると、早産のリスクが高まります。出産や胎児への影響はないと考えられています。治療方法は、膣錠と必要に応じて内服薬を併用して服用します。妊娠週数によって胎児への影響に配慮し、処方内容が異なります。免疫はつかずに何度でも感染しますので、パートナーと一緒に治療することも大切なポイントです。妊娠中は抵抗力が下がって、感染しやすくなりますので気になる症状がある時はすぐに医師に相談するようにしましょう。
梅毒の感染者数は近年増加しています。梅毒は母子感染の胎内感染を起こすことでも妊婦さんには注意が必要です。梅毒は、梅毒トレポネーマという細菌に感染することで発症します。
梅毒菌は皮膚や粘膜から体内に侵入して時間をかけて全身に広がっていきます。全身への広がり具合によって1期~Ⅳ期に分類されます。
<潜伏期間>0~3週間。皮膚や粘膜に直接感染してから症状がでるまでは約3週間の潜伏期間があります。
<Ⅰ期>3週間~3ヵ月間。感染した外陰部、肛門、口などに3ミリ~3センチ大の湿疹ができます。
<Ⅱ期>3ヵ月~3年。体や手のひら、足の裏に、バラ診という発疹ができます。
<Ⅲ期>3年~10年。全身の皮膚や筋肉にゴムのような腫瘍ができます。
<Ⅳ期>10年以上。心臓や脳に病変が起きることがある。
梅毒の症状は第1期から第4期に分類され、治療せずに放置すると長い時間をかけて重症化することがあります。
妊娠中の女性が梅毒に感染していると、高い確率で胎内感染し早産、胎児死産、新生児死産、先天梅毒が起こり、障害をもって産まれる可能性があります。
妊婦健診では、妊娠初期に必ず梅毒の検査を行います。陽性だった場合に、早期に治療を開始することができます。
治療方法は、ペニシリン系の抗生物質を服用して治療を行います。再感染を予防するためにも、パートナーも一緒に検査を受けることをおすすめします。
B群連鎖球菌は膣内に常在菌として存在しても普段は問題ない菌ですが、出産時に新生児に産道感染すると、新生児敗血症、髄膜炎、肺炎などの、B群連鎖球菌感染症を起こすことがあります。出産前までに完治しておくことが大切です。
母子感染を起こす病原体はたくさんあります。その中でもTORCH症候群と性感染症が重要です。
トーチ症状軍とは、トキソプラズマ(Toxoplasma)、その他(Others梅毒)、風疹(Rubella)、サイトメガロウィルス(Cytomegalovirus)、ヘルペス(Herpes)、の頭文字をとって名付けたものです。トーチ症候群のなかで梅毒とヘルペスは性感染症に属します。
妊娠中に性感染症に感染すると、母体のみならず胎児や生まれてくる赤ちゃんに悪影響を与える可能性があるので注意が必要です。適宜に性病検査を行って予防や治療をすることが重要です。普段から気になる症状がある時は、産婦人科を受診して相談するようにすることが大切です。
性病の予防にはコンドームを使用する他にも、予防接種を受けることで予防できる性病もあります。A型肝炎やB型肝炎には予防接種があります。HPVワクチンで子宮頸がんを予防することが期待できます。
妊娠中に感染していることがわかったら、医師の指示通り処方されたお薬をきちんと服用するなど、適切な治療を完了させることが母体にとっても、お腹の赤ちゃんのためにもとても大切なことです。妊娠中は、感染症の予防に努め、心配な症状がある時は、担当医の先生へ相談するようにしましょう。
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Hitoshi Tateyama
資格医 | 麻酔科標榜医 | 母体保護法指定医
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